2011年10月15日

潮の遠鳴り

熱海伊豆山に行く機会を得た。
伊豆山神社は源頼朝と政子の歴史も秘めている。
海からの急な階段883段を登り詰めると神社である。
子恋(ここい)の森を背に、境内には千年の梛(ナギ)の大木が所々方々にそびえ清々しい。
梛には葉脈が無く切れない事からも縁結びの梛の葉守としても知られている。
頼朝公も源氏再興を祈願し、夫人政子との変わらぬ愛を誓って神木 梛の葉を互いの胸に分かち合ったという。
また凪ともとれる事から航海の安全、道中の安全にも通じ舟人にも崇められているとの事。
伊豆山は古くは走湯山(そうとうさん)と言ったそうだが温泉の郷である。
お宿は海からの傾斜に沿って築かれているので露天風呂からの眺めは海原を独り占めしたようで素晴らしい。
海なりに朝早く目覚めて部屋を出ると通路はひっそりと閑静である。
美しく簡素で静謐なお宿のありようは、一口に言ってしまえば、茶の心 だろうか。
上がりかまちの一輪挿しの花も朝には貴船菊に変えられていた。
翌日の夜は、お宿の階段をくねくねと下って、海岸通りに面したレストランでフレンチのディナーを頂いた。
巻貝の殻に点したローソクの明かりが優しい。
熱海はやはり海の幸である。
旬の伊勢海老をはじめ鮑、蛤等など豊かである。
和のお食事、フレンチ、お湯みんなホンモノでした。
帰りには女将が送りに出てくれ、頑張ってネ と背中を優しく叩いて下さった。
女将の美意識が隅々まで行き届いたお宿を 何から何まで仕切られているなんて思えない程華奢で、着物姿の美しい方でした。
いろいろな試練に打ちひしがれそうに低迷している茶業界ですが、日本一の女将に励まされ元気百倍です。
こんな不景気いつまでも続くもんじゃありません!
くじけずに、これからもホンモノのお茶を心込めて商わせて頂きます。
結婚40周年記念の旅行に連れて出てくれた背の君に感謝。
君と行く
梛の湯宿の後の月
幾度寝覚めの潮の遠鳴り



Posted by 朝日園 at 17:02│Comments(0)
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